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尾瀬(おぜ)は、福島県(南会津郡檜枝岐村)、群馬県(利根郡片品村)、新潟県(魚沼市)の3県にまたがる高地にある盆地状の高原

尾瀬(おぜ)は、福島県南会津郡檜枝岐村)、群馬県利根郡片品村)、新潟県魚沼市)の3県にまたがる高地にある盆地状の高原。日本最大の山地湿原である尾瀬ヶ原や火山堰止湖である尾瀬沼、その周囲の山稜などで構成される。尾瀬国立公園に指定されており、日本百景に選定されている。

概要

尾瀬は日本を代表する典型的な山地湿原である。尾瀬沼燧ヶ岳噴火で沼尻川が堰き止められてできた堰止湖と考えられており、周囲には浅湖湿原や大江湿原等があり、沼から湿原への遷移の過程が見られる。また、尾瀬ヶ原は燧ヶ岳の噴火で沼尻川が堰き止められた後に、土砂が周囲から流入して形成された山地湿原である。

尾瀬ではミズバショウミズゴケカタシャジクモなど湿原特有の貴重な植物群落およびトンボ甲虫類と多くの渡り鳥が見られる。また、世界的にも珍しい、ナガバノモウセンゴケの大群落を中心とする、尾瀬・食虫植物大群落もある。

尾瀬は阿賀野川水系最大の支流只見川源流域にあり、平滑ノ滝や三条ノ滝などの瀑布景観を形成している。

尾瀬は1934年(昭和9年)12月4日日光国立公園の尾瀬地域として、尾瀬沼及び尾瀬ヶ原の一帯並びにその周囲の山稜の燧ヶ岳及び至仏山等の地域が国立公園に指定された。その後、日光国立公園から独立させるとともに会津駒ヶ岳地域及び田代山・帝釈山地域を国立公園に編入し、2007年(平成19年)8月30日に尾瀬国立公園として新たに指定された。

また、尾瀬ヶ原及び尾瀬沼(特別保護地区)は、1960年(昭和35年)に文化財保護法による特別天然記念物に指定されている。尾瀬ヶ原及び尾瀬沼の8,711 haの区域(国立公園特別保護地区)は2005年(平成17年)に「ラムサール条約湿地」にも登録されている。尾瀬では歩道以外への立ち入りが厳しく制限されており、ごみ持ち帰り運動の発祥地であるなど、日本の自然・環境保護運動の象徴でもある。

気候

標高約1,400 mの高地に位置し、亜寒帯湿潤気候である。夏は冷涼、冬は非常に寒さが厳しく、-30 °C近くまで下がることもあり、1995年(平成7年)12月28日には尾瀬沼で31.0 °C、山の鼻で-30.0 °Cが観測されている。冬季の降雪量が多い日本海側気候であるが、太平洋日本海分水界でもあり、太平洋側気候の特色も持つ。

自動車乗り入れの制限

1974年(昭和49年)の「国立公園における自動車利用適正化要綱」で日光国立公園尾瀬地域がモデル地区となり、福島県尾瀬自動車利用適正化連絡協議会及び片品村尾瀬交通対策連絡協議会が設置され、マイカー等の交通規制と代替輸送が実施されている。

2022年4月現在、以下のような規制がある。

  • 大清水口 – 大清水以奥への許可車両を除く一般車両の乗り入れ禁止(通年)。
  • 富士見峠口 – 富士見下以奥への一般車両の乗り入れ禁止(通年)。
  • 鳩待峠口 – 津奈木以奥へのタクシー、ハイヤー、マイクロバス及び許可車両以外の車両の乗り入れ禁止(混雑期間と毎週末)。
  • 御池口 – 御池から沼山峠までの許可車両以外の車両の乗り入れ禁止(通年)。

交通・アクセス

現地には自動車道は通っていないため、登山口から徒歩でアクセスす ることになる。尾瀬ヶ原及び尾瀬沼周辺への主な入山口は6か所ある。主な登山口は群馬県側が鳩待峠富士見峠、大清水(三平峠)の3箇所で、福島県側が御池・沼山峠の2箇所。このほか新潟県側からの入山口(越後口)がある。このうち鳩待峠からの入山者数が全入山者数の6割弱、沼山峠からの入山者数が2割弱、大清水からの入山者数が0.5割をそれぞれ占めている。

現地へのアクセスについては前記の通り、1974年(昭和49年)の「国立公園における自動車利用適正化要綱」で日光国立公園尾瀬地域がモデル地区となり、福島県尾瀬自動車利用適正化連絡協議会及び片品村尾瀬交通対策連絡協議会が設置され、マイカー等の交通規制と代替輸送が実施されている。

マイカー利用時

自家用車の場合、群馬県側は片品村戸倉の尾瀬第一駐車場(有料)、尾瀬第二駐車場(並木駐車場、有料)に駐車し、そこから路線バスもしくは乗合タクシーで登山口である鳩待峠に向かう。乗車券はバスと乗合タクシーは共通であり、頻発運転により利便性を確保している。福島県側からは御池駐車場(有料、規制期間によっては使用不可のことあり)、七入駐車場(無料)に駐車し、同様に路線バスなどを利用する。これらの駐車場のほか、大清水駐車場(有料)、鳩待峠駐車場(規制時は使用不可)、富士見下駐車場(無料)がある。このうち、鳩待峠駐車場は狭いため規制期間中は使用できず、また規制期間外でも満車の時が多い。さらに自然保護を理由として周辺よりも高い駐車料金となっている。

公共交通機関利用時

電車・バスを利用する場合、群馬県側は上越新幹線上毛高原駅または上越線沼田駅から鳩待峠行バス連絡所行きまたは大清水行きのバスを利用。福島県側からは、野岩鉄道会津鉄道会津高原尾瀬口駅から沼山峠行きバスを利用する。なお、東武鉄道がシーズン中の週末を中心に浅草駅から会津高原尾瀬口駅まで夜行列車(尾瀬夜行)を走らせている(沼山峠行きの連絡バスに接続する)ほか、関越交通バスタ新宿新宿駅前)および東京駅前から大清水行き高速バスを走らせている(戸倉で鳩待峠行きのシャトルバスに乗り換えられる)。

このほか、上越線浦佐駅から奥只見ダム行きのバスに乗り、そこから定期船で尾瀬口、尾瀬口から定期バス(予約制)で小沢平・御池・沼山峠まで行く方法もあるが、本数は非常に少なく(1日2本、繁忙期のみ3本)、また積雪のために開通は6月上旬となる。

最も利便性の高い鳩待峠や沼山峠からでも、バスの終点から尾瀬の湿原までは徒歩で1時間ほどかかる。

外部リンク

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